フランスパリ在住のライター 杉浦岳史さんが
ジヴェルニーのモネの庭を5月15日に訪れた時の様子を
ご紹介してくださいました。
北川村のモネの庭

ジベルニーのモネの庭
気候は異なり、お花のシーズンが少し違いますが
北川村のモネの庭が本家の庭とリンクしている雰囲気を感じることができます。
杉浦さんの素敵な写真と文章で綴られた
本家モネの庭の様子をご覧ください

今年は3月24日から公開がはじまった
ジヴェルニー・モネの家と庭
を訪れました。
「早春の温かな時期に、植物たちの発育が早かったのですが、
4月半ばに霜が降りたりしたこともあって、
花が長持ちする傾向があります」
とは、モネの家の庭師主任ジルベール・ヴァエの言葉。

5月は春の花から夏の花へと庭が変化を遂げるとき。
チューリップや藤が少し盛りをすぎて、
そのかわりにパンジーやアヤメの青や紫が鮮やかになってきてるようです。

温室で作られた花園ではなく、
寒さや雨にさらされて、それでも可憐に花を咲かせている
少し野性味のあるジヴェルニーの風景には、
男の私でも心惹かれます。
庭もまた作品のひとつである、と語り、
自らも園芸家とともに庭づくりにいそしんだというモネ。
作品づくりの旅行中にも、
家にいる妻のアリスに、寒さや雹から花を守るようにと、
手紙を出したりしていたほど。
そうしたモネの想いは専属の庭師たちによって
受け継がれています。
この季節は、キンギョソウ、
紫や白のハナダイコン、
ツツジがきれい。

水の庭では
早くも睡蓮が花を咲かせ、

私が訪れたとき「日本の橋」では、
盛りを過ぎた紫の藤にかわって、白い藤が最盛期を迎えていました。

家の玄関の前には
太陽に向けて首をかしげたチューリップたち。
モネの家の中では浮世絵や絵画に目をとられて忘れがちですが、
実は、窓から見る庭の景色がとてもきれいです。

ようやく初夏らしい陽射しが目立ってきた北フランス。
これから10月いっぱいまで、
モネが愛した花たちが、
世界中からやってくるビジターを迎えてくれます。
(5月15日来訪)
追伸:5月下旬にもう一度訪れる機会がありました。
植え替えで紫陽花やひなげしなどが入り、ずいぶんと夏らしい雰囲気になってきました。
しかもパリで最高気温が30度を超える記録的な暑さが数日続いたこともあり、
たくさんの睡蓮が花を咲かせ、一気に見頃を迎えています。
この頃は気候の変化にあわせて、花々もどんどんと移り変わるようです。
杉浦岳史さん プロフィールフランスパリ在住のライター・アートオーガナイザー
月刊アンドプレミアムでコラム連載中
杉浦さんのブログ「週刊オトコのパリ」は下のリンクからどうぞ。
パリの素敵な風景が素敵な写真とともに紹介されています。